典型的なファクタリングは、企業間での商品やサービスの取引において発生する売掛債権が主役となります。個人向けに商品やサービスを販売した際にはその場で代金を受け取れることが普通ですから、売掛債権というものは発生しません。ですが企業間での取引ではこれが発生しますので、これを担保にして融資を受けることができますし、またその意味があるわけです。ですが、このような典型例だけがファクタリングではありません。
個人向けに商品やサービスを販売した場合には普通は売掛債権は発生しないと言いましたが、これはその場での現金支払いが普通だからという意味です。ところが本当にそうでしょうか。今や、クレジットカードで支払いをしたことのない人というのは少数派でしょう。クレジットカードで支払いがなされた場合、その代金は後日クレジットカード会社から支払われます。
その間、まさに売掛債権が発生しているということができます。あるいは、少し毛並みの異なる話ですが、健康保険を適用した医療費などもファクタリングの対象になり得ます。健康保険を使って医療機関を受診した場合、窓口で支払われるお金は普通は医療費の3割に過ぎません。残りの7割は、健康保険に対して請求することにより後日医療機関に支払われます。
まさに売掛債権と同じ状態です。典型的な事例だけでなく、クレジットカードのケースや健康保険のケースもファクタリングの対象になる可能性が十分にあります。