ファクタリングとは、売掛債権の買取による期日前の資金化のことを言い、従来の手形の流通に似た効果があります。意外に感じられることですが、企業は成長過程で売り上げが伸びていくと、資金繰りが課題になります。売り上げが伸びて利益が出れば、運転資金に余裕ができると思われますが、実際には、商品を仕入れたり、外注費を支払う一方、売上代金の回収は後回しになるのが理由です。売上代金の回収までの期間は、売り手と買い手の契約で決めますが、現金取引ばかりでは取引の規模を拡大していくことはできません。

従来は、売掛金そのものを売買の対象とすることができなかったため、支払期日が決まった手形を期日前に金融機関で割り引くことで資金の流動化が図られました。ファクタリングでは、売上債権そのものを売買の対象とすることで、銀行に支払う手形帳のコスト、手形の運送に要する通信コスト(普通郵便ではなく、書留などで送るため)、手形に貼り付ける印紙税といった付随費用が必要なくなりました。同時に、受け取る側では、手形の場合、100万円の手形なら100万円を資金化するか0かになりますが、ファクタリングでは、このうち50万円など、必要な部分だけを資金化することができ、金利に相当する割引料の節約になります。ファクタリングは、銀行などの金融機関が行う場合と、取引先の金融子会社が行う場合がありますが、取引先の金融子会社が行う場合は、瑕疵担保(不渡りが起きた場合の買戻し責任)がない場合もあるので、基本契約の内容確認が大切です。

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